2016年8月21日日曜日

渡米前準備 ~様々な費用~

渡米日が近づいてきました。新生活を楽しみにする一方、日本でやり残したことがないか気になって仕方がないです。

これまで渡米前準備として、健康診断(免疫・抗体価検査)、住居、ビザについて書いてきましたが、これらの費用に加えて渡米前にかかった様々な費用を備忘録も兼ねて書き起こそうと思います。

  • 健康診断: 約2万円 (英語診断書作成費用も含む)
  • 住居: 約8万円 (デポジット約2万円と入居月の日割り家賃)
  • ビザ: 約4万円 (ビザ申請費用とSEVIS費用)
  • 渡航費: 約8万円 (片道の格安航空券)

こうしてみると合計22万円、支払い月を分散させたのでなんとかなりましたが結構大きな出費でした。

これはまだ渡米前の費用なので、渡米後の初期にかかる費用が別途必要です。モバイルネットワークの契約や(今のものがかなり古いので)スマホ・PCの新調、家具の購入などが待ち受けているので来月の出費が非常に怖い...

国内で奨学金を確保出来た人は渡航準備費用などを出してくれるところもあります。今年も奨学金の応募締め切りや選考が近づいているころかと思いますが、出願される方々は頑張ってください。

2016年8月14日日曜日

渡米前準備 ~ビザ~

今回は学位留学で渡米する際に必要な査証、ビザについてです。
自分は一般的な学生ビザ、F-1ビザだったためこれについて簡単に書きます。

まず最初にやらなければならないことはI-20という書類を入学先の大学 or 研究科から送ってもらう必要があります。待っていても勝手に送ってくれないと思いますが、案内のメールぐらいはくれるはずなので、それに従ってI-20の発行・郵送をリクエストしましょう。

リクエストする時期にもよりますが、リクエストから郵送受取まで大体1ヶ月程度かかります。リクエストできる段階になり次第、早めに処理しましょう。

このあとは米国大使館のHPにある案内に従って、面接の予約、ビザ申請費用の振り込み、SEVIS費用(ビザ申請費用に加えて別途手続きと支払いが必要)、必要書類を持って面接へ向かう、という手順になります。

面接会場には、面接時だけでなく施設に入る時点で持ち込めないもの(カバンも含む)などもあるので、公式動画などをチェックしておかないと、コインロッカーを探して荷物を預けに行って帰ってきたら時間切れ(30分オーバーから?)で面接予約をやり直し(3回まで)しないといけなくなるかもしれませんので要注意です。

また面接当日に持参する書類のうち、I-20は自分で署名しなければならない箇所(場合によっては親のものも)があるので、このあたりを見ながら署名したうえで持参することをお忘れなく。

銀行口座の預金証明(英語)を銀行に発行してもらってそれも提出するといった記事や体験談をたまに見かけますが、PhDの学生などで学科から財政援助(全面的な支援)をもらう場合は財政援助の内容(金額や期間など)が書かれた書類を一緒に提出すれば問題無いです。

自分は口座の預金証明を作るほど大した額が入っていないので、合格時にもらった財政援助の書類だけ提出しました。(提出書類はパスポートと一緒に郵送返却されます。)
ただ、面接官がその書類をチェックしていたような素振りも見えなかったですし、学校や研究室から財政援助を貰う場合その額がI-20に書いてあるはずなので、もしかしたら提出の必要はなかったかもしれません。

ちなみにビザの面接ですが、英語 or 日本語で行われます。「面接官は日本語も喋れるから英語で喋れなくても大丈夫」なんてことを耳にしますが、自分は全て英語でした。(自分より前の長蛇の列はみんな日本語だったのに)
まぁでもこれから英語圏で生活するんですから、ここで英語で躓くようでは入国審査のときにもっと怖い目に会いますよ、きっと。(昔の実体験)

ちなみに聞かれたことは
  • アメリカのどこに行くのか
  • 何を勉強するのか
  • 今の職業は
  • どれぐらい滞在するのか (← I-20にも書いてある)
  • PhDを取った後はどうする?
ぐらいだったと思いますが、半分以上が郵送された時点でI-20に書かれているものでした。最後に「面接はOK ですので、1週間ほどでビザ付きのパスポートが届けられると思います。Good luck!」と言われ、あっさりと終わりました。

学位留学で書類もしっかり揃っていればそうそう面接で落とされることはないでしょうが、自分より前の方で日本語による面接だったにも関わらず「ビザは発行出来ません」と言われていた人(学生ビザではない?)が1,2人いたので気は抜かないようにしましょう。

P.S.
一緒に渡米する夫婦や家族で同時に面接を受けている人もチラホラ見かけましたが、小さな子供には面接官も外国人っぽい日本語で「イマ、ナンサイ?」などと笑顔で聞いているのが印象的でした。

あと「旦那さん(奥さん)の生年月日はいつですか?」と両方に訪ねたり、「いつ結婚しましたか?」などの質問も聞こえてきました。ここでスパっと答えられないと面接官と面接後のパートナーの機嫌を損ねてしまうので、注意してくださいね!!(超他人事)

2016年8月9日火曜日

渡米前準備 ~住居~

暑いですね..
猛暑日が続く中、こんな蒸し暑い環境もあと1ヶ月で終わりかと思うとなんとか乗り切れそうな気分でいる今日この頃です。

前回に引き続き、渡米前準備についての備忘録、今回は住居について書きます。

入居(契約)前にSNN(ソーシャルセキュリティナンバー)を持っていない前提で話を進めますが、選択肢は大きく分けて一般的なアパート、学内の寮・アパート、ホームステイの3つあると思います。

最初に、一般的なアパートを借りるのはかなりハードルが高いかと思います。 というのもSNNを持っていないと貸してくれないところや、国内に保証人がいないからという理由で保証料を高く取られるといったことがあるからです。あとはプロバイダの契約や公共料金などの手続きも面倒だと思います。(←想像)
ただ、家具付きのアパートが多いと思いますし、1人だけの広い空間を持てるというのはアドバンテージでしょう。

次に学内の寮・アパート、これは比較的ハードルが低いと思います。大学院生は優先的に入居させてくれたり、プロバイダや公共料金の手続きを自分でしなくてもいいというところも多いです。周辺住民は学生ばかりで友達も作りやすいでしょうし、家賃なども安めのようです。あと通学時間が短くなるのも大きなメリットですよね。しかし、家族連れでない限りルームシェアないしアパートメントシェアという形になることが多い気がします。

そしてホームステイ、これはあまり大学院生の選択肢に含まれないと思いますが、最初の住居としては合理的かと思います。(自分も真剣に悩みました。)
ホームステイであれば食事付きのところもありますし、かなり食費込みでも割安です。初めての土地(または国)で色々となれないことに苦しまされても、気軽に相談できるホストファミリーがいれば心強いです。最初の1学期分ぐらいはホームステイにして、色々慣れたり知ったりしたうえで改めて引越しするというのもいいと思います。

自分は偶然にも知り合いのホストファミリーがキャンパスから20~30分の距離に住んでいたので、少し相談したところ希望するなら快く受け入れてくれるとうい旨の連絡ももらったためホームステイの可能性も真剣に考えましたが、二度引越しするのが手間だったのと通学に時間がかかるので選びませんでした。
結果としてキャンパス内のアパートに住もうと思ったのですが、入居先と入居日が決まるまでにかなり時間がかかりました。進学先のシステムでは、期限内に申請すればPhD学生最優先で希望にあった入居先と入居日を6月までに連絡するとのことだったのですが、何度催促してもいつ連絡できるかわからないと言われ続けました。

7月上旬・中旬ごろに連絡が来たのですが、空きリストのうち希望条件に近いと判断された順に1件ずつ紹介されるというシステムでかなりストレスが溜まったのを覚えています。1件1件断るたびに、次のオファーがあるか保証はできないと言われ、結局希望していたところは1つもなかったですが予算ギリギリのところに入ることになりました。
因みにアパートは大学生用と大学院生用と分けられていたので、偶然にももう1人のアパートメントメイトは同じ専攻の大学院生でした。

書きたいことはもう少しあったのですが随分長くなってしまったので、今日はこのあたりにしようと思います。

2016年7月31日日曜日

渡米前準備 ~健康診断~

約1ヶ月ぶりの更新です。が、サボっていたわけではないのです。(キッパリ)
更新しようにも情報が断片的過ぎたので、ある程度形になるまで待っていたら今月末になっていました。
(これまで話が一向に進まなくてストレスフルな日々を過ごしてました...)

今月末に一気にまとまった健康診断、住居、ビザと渡米前にかかる様々な費用、の4つの情報をここで共有しますが、長々と書くのも面倒なので今回はまず、健康診断について。

州によって要件は異なるようですが、私の進学先からは指定された各種免疫の抗体価やワクチン接種歴を英文の証明書として入学前に提出しろ、とのお達しが。
特にツベルクリン検査が面倒で、入学前1年以内に受けた結果が陽性だった場合はX線でも診断してもらえということでした。

ご存知の方もいるとは思いますが、日本にずっと住んでいた場合、ツベルクリン反応の検査は陽性になるのが普通だそうです。
というのも、弱いウイルスを幼少時に体内に入れることで免疫を作るだとかなんとかで、日本式の検査(診断)では日本人は硬化(induration)までいかなくても発赤だけで陽性と診断するんだとか。(なので国際的な方法では陰性?)

ツベルクリン反応検査で陽性と診断された場合は、胸のX線写真での診断結果が求められました。とりあえず、このX線での診断で陰性であれば問題は無いようです。

あとは各種抗体価などを調べてもらえばいいのですが、一番問題なのは英文での診断書です。
最も楽なのは市や区が母子手帳や市のDB(?)を基に英文の証明書を発行してもらえる場合です。引越しなどをしている場合はどうなるかわかりませんが、まずは市役所や区役所のHPで調べたり電話で問い合わせてみるといいでしょう。
また母子手帳の情報に必要な情報が全て記載されている場合は、母子手帳を英訳してくれるサービスなどをネットで探せば見つかるそうです。(時間とお金はかかります。)

それ以外の場合はかなり面倒です。
つまり追加で検査や接種が必要の場合に、その病院やクリニックで診断してもらった内容だけを英語で書いてもらうのは数千円の追加費用で対応してもらえることもあります。
しかし、他所の病院やクリニックでの接種歴なども一緒に書いてもらいたい場合、断られるケースが多いです。実際自分のときもほとんどの病院で「出来ない」と言われました。

大病院になると、「先生によっては対応してくれるかもしれないが、私達(受付スタッフ)では出来ないとしか言えない」と直接先生に頼めばOKかもしれないケースや、そういった代筆サービスも行うと大病院がうたっているケースはありますが総額はかなり高いです(2~3万円ほど)。

自分の場合、何件も断られた後に電話した近くの小さなクリニックの先生が快く受け入れてくれたおかげで、母子手帳の接種歴など + 追加の検査結果の英文証明書を書いてもらえました。(大体5,000~6,000円程度)

大学によっては自分で英訳した母子手帳の内容だけでOKがもらえるかもしれませんが、自分の場合はそんな感じでもなかったのでちゃんとしたものを書いてもらいました。
また必須ではなかったですが肝炎ワクチンなど、期間を空けて複数回接種(合計数ヶ月)するようなものもあるので、接種を希望する人は海外大学(院)から合格を貰った時点でそういった計画を立てることをオススメします。

2016年6月30日木曜日

渡米まであと数ヶ月

6月がもう終わり、2016年があと半分かと思うと2016年を迎えてからあっという間に時間が過ぎている気がします。
特に、前月にアメリカの各大学院へ出願を終えたばかりで、クイックリジェクトのメールが届いたりするのではと毎朝のメールチェックが憂鬱になり始めた1月。
月末あたりからリジェクトのメールが届き始め、4月以降の身の振り方も考え始めないといけないストレスに悩まされた2月。
そして、出願校のうちいくつかの大学院の教授からぽつぽつ連絡が届き、ほっとし始めた3月。

その後4月に進学先を決定(オファーを受ける連絡)するわけですが、2015年度末は本当に精神的にも大変だった気がします。
進学先が決まったら決まったでビザ書類の準備や住居探しなど色々と大変なわけですが、そんなことを煩わしいと思うのも、近年のコンピュータサイエンス系の大学院(特にPhDプログラム)の圧倒的倍率(10倍~)を知ると、贅沢な悩みだなぁと思うことも。

タイトルのとおり渡米まであと数ヶ月なわけですが、まだ住居も飛行機の予約も、なんだったらビザの面接(←諸事情でまだ出来ない)の予約も終わっていません。
出国に関する面倒なことはさっさと終わらせて、残りの日本生活を充実させて満喫したい!

次に更新するときには、上記のうち1つぐらい終わらせておきたい...(願望)

2016年6月19日日曜日

大学院から財政援助の支給が始まるタイミングの一例

先々週から色々な締め切りや仕事が重なっていて更新が滞っていました。(反省)

ところで、アメリカの大学院への入学が数カ月後に迫っているわけですが、
大学の学生向けWebサービスへログインすると「〜までに授業料を払うこと」
と書いてありました。

そういえばアメリカの大学院から財政援助(Financial Support, Financial Aid)を
貰うことが決まっているのはいいけど、いつから支給されるのだろう?
提示されている期限は入学直後だけど、その日までに財政援助の支給が始まるの?
など気になることが出てきたので、研究科に直接聞いてみました。
これから大学院の財政援助付きで留学される方は参考にしてみてください。

自分の場合は、入学した次の月の頭から財政援助(学費+生活費(給料)など)の
支給が始まり、学費については研究科が直接自動的に払ってくれるようになっているそうです。

財政援助の支給が入学の次の月からというのは知っていたので、
学費は立て替え払いであとでその分支給されるという最悪のケースも
想定していましたが、そういった心配は不要だったようです。

財政援助のタイプ(RAかTA)については入学前に連絡があるそうなので、
ひとまずしばらくは財政援助に関する心配はなくなりました。

2016年6月5日日曜日

国内奨学金(給付型)獲得のススメ

日本人にとってアメリカの大学(院)は公立でも私立でも学費が高いと知られています。実際、私が進学する予定のパブリックスクールの情報系PhD課程でさえ、学費は年間で300万円ほどかかります。州民なら半額程度らしいですが、それでも日本人にとっては高額です。

これに生活費や保険料などが加わるので、地域によりますが少なくとも年間500-600万円は必要になるかと思います。私が知る限り、アメリカの大学院のPhD課程は基本的に大学院や研究室が学費 + 生活費 (+α 保険料の場合も)を出してくれます。このシステムによる大学院や研究室の経済的負担は大きいですが、同時に世界中から出願者が集まる要因の1つにもなっています。

これだけ見ると「学校がお金を出してくれるなら、出願前に苦労して国内で奨学金を確保しておかなくてもいいのでは?」と思う人もいると思います。しかし、例え少額でも国内で奨学金を確保しておくと、良いことがあります。

  1. 出願校の合格の可能性が上がる
     どの大学院にも該当するとは言い切れませんが、奨学金を持っていることで大学院や研究室の経済的負担は圧倒的に下がります。PhD課程を修了するのに5,6年かかるとして、少なくとも毎年500-600万円を捻出すると考えると、その学生にかかる費用は最低でも3000万円はかかります。
     世界中から優劣付けがたい出願者が集まる大学院において、同レベルの学生が大勢いたら、大学院・研究室の立場としてはお金がかからない学生を選びますよね?
    実際私も出願後に入試委員会に推薦してくれた教授から「1年目だけは自費で来れないか?」と言われたことがあります。(全面支援を約束してくれた大学院があったので、丁重にお断りしましたが...)
     加えて、少額でも奨学金を獲得しておけば、第三者がその学生の質を示していると出願書類の評価者に捉えてもらえます。
  2. 研究室選びの幅が広がる
     前述したとおり、研究室がRA(Research Assistant)としてPhD学生を雇って学費+生活費などを出す例も多いので、出願者・合格者を自分の研究室で受け入れられるかどうかということもその研究室の資金事情によります。資金の都合上新たに学生を受け入れられない研究室でも、奨学金を確保している学生に対しては自分の研究室から捻出する費用が抑えられるので、受け入れられやすくなる、つまり希望する研究室に入りやすくなると言えます。
  3. 国内外で学位留学者とのネットワークを築ける
     学位留学の奨学金を出してくれる財団や奨学会は大抵、採択者の懇親会や壮行会、OB・OG・現役留学生との交流会などを定期的に開いています。留学前・中・後に有益な情報を得られたり、互いに刺激できるような人と出会える貴重な機会です。(羨ましい...)
  4. 留学準備費用や渡航費用をサポートしてもらえることも
     財団・奨学会によっては留学準備費用として一定額を支給してもらえたり、出国・帰国の渡航費用をサポートしてくれることもあるそうです。大学院や研究室からこういった費用をサポートしてもらえる例もありますが(←私もそうです)、予め確保されていると安心ですよね。

このように、国内で学位留学の奨学金を確保しておくメリットは非常に大きいです。
情報系を専攻する予定の人が応募でき、修了後の進路を限定しない財団・奨学会などの一部を紹介しますので、参考にしてみてください。私もいくつか応募して最終面接まで残れたところもありましたが、このブログタイトルからわかるように採用はされませんでした... (地方大で採用されている例は少ないですよね...、と邪推したことも)
奨学金の応募シーズンが近づいていますが、みなさん頑張ってください。

2016年5月22日日曜日

高専生が海外大学院へ出願する際に有利・不利な点 (私見 & 実体験)

ブログのタイトルにせっかく"高専"を入れているので、今回は海外大学院へ出願する際に高専卒(予定)ということがどのように影響するか実体験も交えて書くことにします。
(国内の大学院へ進学しようとしている高専生も一部参考になるかも。)

有利な点
  • "研究経験が一般的な大学生より長い"
     学部生ならせいぜい2年弱、高専本科卒の編入生or専攻科生なら3年弱~約3年半は学士取得までに研究しているはず。卒業論文にしても学士取得までに2回(高専本科、専攻科 or 編入先の学部)は書いているはずなので、レポート・論文の執筆や研究の進め方も理解している学生が多い。中には筆頭著者として何回も学会発表をした人もいるでしょう。
  • "手を動かせる"
     実験や開発など、実践的な経験を高専で多く積んでいるので、"勉強は出来るけど、手は動かせない"ということになりにくい。特に研究思考の大学院では、手を動かせる学生の方がRA: Research Assistant(年間500万円以上貰える)などを任せやすいので、そういった経験をアピールする and/or 推薦状にも書いてもらうことで、研究室の即戦力として評価してもらえる。
  • "専門能力が高い"
     手を動かせるということに加えて、(学士取得まで)15歳から22歳までの7年間も専攻分野の専門教育を受けている、ということも評価されるでしょう。国内では、文系科目の教育がテキトーだとか言われたりすることもありますが、海外大学院はそんなことに興味はありません。ただし、英語は自分でもちゃんと勉強しよう。

不利な点
  • "研究経験が一般的な大学生より長い"
     「さっき有利な点って言ったじゃん!」←ごもっとも
     しかし、研究経験は長いのに(対外的な)業績がないと「ほんとに研究してたの?」と思われることも。卒業論文のテーマが実は先生の過去の実験の追試験だったり、自分は知らなかったけど学外で発表できないレベルのものだった、ということはよくある話。こういうことを防ぐためにも、「学会発表(出来れば国際会議)してみたいです。」と指導教員に早めに宣言するといいでしょう。
  • "(国内では)英語が出来ないイメージが強い"
      国内で海外留学の奨学金に応募する際、高専のことを良く知る審査員には懸念されることもあるので、テストスコアはしっかり取る & 出来れば英語での学会発表や英語スピーチ・プレゼンテーションコンテストを経験しておこう。
  • "高専という教育システムの説明が必要"
     国内でも度々「高専って何?」と聞かれるので、海外でも説明を求められるのは至極当然。また高専に「英語で成績証明書作ってください」とだけ言うと、本科1年生から5年分、専攻科生の場合は7年分の成績が出されるので、「高専4年生~専攻科2年生が大学学部に相当」などの説明を追記してもらいましょう。もしくは余計な誤解を招かないように、本科4年生以上の成績だけで作ってもらい、さっきの説明文を加えてもらうことをオススメします。

自分が実際に受けた国内外からの評価やコメントに加えて、高専生についてよく言われる代表的なことを簡単にまとめてみました。今後「私、高専卒です。」と書類や面接で売り出そうか考えている人は参考にしてみてください。

2016年5月16日月曜日

日本人が海外大学・大学院に出願する際の第一の壁: TOEFL or IELTS

学位留学準備に際して、最初に思うのは「TOEFL(IELTS)めんどくせ〜」でしょう。
(そう感じなかった人はこの投稿を読む必要はないでしょう)

出願時に求められる試験のスコアレポートとして、一般にTOEFL or IELTS、アメリカ大学院へ出願する場合はGREがあります。GREは留学生だけでなく英語ネイティブも受験しないといけないので、今回はTOEFLとIETLSに話を絞ろうと思います。

TOEFLは主にアメリカへ留学する人がテストセンターのコンピュータで受験し、IELTSは主にイギリスやニュージーランド、オーストラリアへ留学する人がテストセンターで持参の鉛筆を使って受験します。ただし、近年ではアメリカでも非常に多くの大学・大学院がTOEFLだけでなくIELTSを受け入れています。

今回は実体験も踏まえて両者を比較するので、これから受験を検討している方は参考にしてみてください。

共通点
  • L(Listening), R(Reading), S(Speaking), W(Writing)の4セクション
  • 受験料が高い(どちらも2万円以上)
  • でも日本から学位留学する人は受験必須

TOEFLのメリット
  • 日本語で書かれている参考書が多い
  • 受験者も多いのでノウハウが共有されやすい
  • 試験会場が多い
  • 試験日直前でも空きがあれば受験申込ができる
  • 受験者のペースで試験の開始・進行ができる(当日の受付順で開始)
  • Wセクションでコピー・ペーストが使えるので編集しやすい

TOEFLのデメリット
  • 受験料の支払いが米ドルなので、円安・円高に影響される
  • 幅広い学術分野(例: 植物学、海洋学)の基礎専門用語が求められる
  • Rセクション以外の全セクションでリスニング能力が求められる
  • Sセクションはコンピュータに話しかけ、時間が来ると強制終了
  • 試験の進行が受験者ごとに異なるので、他の人がSセクションに入るとヘッドホン越しでもノイズが気になる
  • スコアに反映されないダミー問題が含まれていて、無駄に疲れる
    (ダミー問題は使い回しなので、何回か受験すれば気づくようになれる)
  • RL-SW間の休憩時間が10分しかなく、昼食も落ち着いて食べれない


IELTSのメリット
  • 日本では日本英検協会が受験を取り仕切っているので、受験料が外貨に影響されない
  • TOEFLほど幅広い分野の専門用語は覚えなくてもいい
  • ペーパー形式のため、問題用紙に書き込みができる
  • リスニング能力が求められるのはL, Sセクションのみ
  • Lセクションは書き取り形式なので、TOEFLほど内容の記憶は求められない
  • SセクションはFace to Faceの対人面接形式なので、ボディランゲージや聞き直しができてTOEFLより柔軟な対応をしてもらえるので、リラックスして試験に挑める
  • Sセクションが別日に設けられる場合もあるが、同日に行われる場合でも最低1時間弱は休憩できる
  • 試験の進行はSセクションを除いて、L, R, Wが全受験者同時に進行する
  • TOEFLのようなダミー問題は含まれていないので、試験時間も短い

IELTSのデメリット
  • 増えてきつつあるが、TOEFLに比べて日本語の参考書が少ない
  • 試験会場が少なめ
  • 基本的に5週間ほど前までに受験申込しなければならない
  • 受験申込の度にパスポートのコピーを郵送しなければならない
  • Rセクションの文章量がTOEFLより多め
  • Wセクションで文章を書き直したり、文章の途中に書き加えるに時間がかかる
  • Sセクションが別日に設けられる場合もあるので、1日で終えたい人はしんどいかも

結論として、これからTOEFL or IELTSを受験しようとしている人は、最初にまず1回ずつ両者を受験することを強くオススメします。
自分もTOEFLの勉強・受験を2年間続けましたが、自分には合わず(特にSセクション)、TOEFL iBTで70点程度が最高点でした。しかし、IELTSに切り替えて試験形式の把握して受けただけでもOverall Band Score(各セクションの平均を丸めたもの)で6.5 / 9.0をギリギリ取得できました。

アメリカの大学院の場合は、大学や専攻にも寄りますが最低でもTOELF iBTで80点、IELTSでOverall Band Score 6.5は入学要件として求められます。(トップスクールではTOEFL iBTで100点、IELTSのOverall Band Scoreで7.0が最低ラインの場合が多いですが。)出願予定の学校がどちらのテストスコアも受け入れている場合は、初期段階で両者を受験し自分に合ったテストを見つけることを自分や学位留学する友人の経験からも、強くオススメします。

今回はもう長くなってしまったので、役に立ちそうな教材などはまた後日投稿しようと思います。

2016年5月10日火曜日

README

はじめまして、私は高専本科・専攻科を経て地方の大学院(修士課程)へ進学し、今夏よりアメリカの某パブリック・アイビーのPhD課程(財政援助付き)でコンピュータサイエンスを専攻する情報系の者です。

このブログは、これから学位留学を考えている方々への情報共有や自身の活動の記録を主な目的として開設しましたが、近年では様々な機関や書籍・HPのおかげで学位留学に関する情報は比較的得やすくなっています。(少なくとも私が学位留学を志し始めた時と比べて)

こういった万人に役立ちそうな情報源はもちろん紹介していこうと思っていますが、私自身、海外大学院出願準備にあたり、アメリカの大学院のPhDプログラムに合格した日本人の体験談(いわゆる王道)とは異なる、マイノリティだなぁ(こういうケースの情報あまりなかったなぁ)と感じる場面が多々ありました。
そこでこのブログでは自分の経験をもとに、以下のいずれかに当てはまる学位留学希望者を特に意識して情報を共有していくつもりです。

  • 高専(専攻科も含む)出身の方
  • 現在地方の大学・大学院に在籍している方
    (いわゆる旧帝大や東工大・慶応・早稲田以外の大学・大学院)
  • 国内で奨学金を確保出来なかった方
  • 出願校の先生とのコネクションを確保出来なかった方
  • 学位留学に精通している先生が周りに少ない方
  • GPAはそこそこ良いけど、学内では優秀組ではないと自覚している方
  • 情報系を専攻している(または専攻予定)の方
  • TOEFL iBT or IELTS、GREの勉強方法やスコアに不安がある方

出来る限りここでの初心を忘れずに記事を書くよう意識していきますが、要望が出てくればそれに沿った情報も共有していこうと思っています。
不定期更新ですが、よろしくお願いします。

P.S.
本名だと色々とざっくばらんに共有できない情報もあると思うので、気が変わるまでは個人情報は伏せていく予定です。
あと次からは文章が固くなり過ぎないよう善処します。