2016年6月5日日曜日

国内奨学金(給付型)獲得のススメ

日本人にとってアメリカの大学(院)は公立でも私立でも学費が高いと知られています。実際、私が進学する予定のパブリックスクールの情報系PhD課程でさえ、学費は年間で300万円ほどかかります。州民なら半額程度らしいですが、それでも日本人にとっては高額です。

これに生活費や保険料などが加わるので、地域によりますが少なくとも年間500-600万円は必要になるかと思います。私が知る限り、アメリカの大学院のPhD課程は基本的に大学院や研究室が学費 + 生活費 (+α 保険料の場合も)を出してくれます。このシステムによる大学院や研究室の経済的負担は大きいですが、同時に世界中から出願者が集まる要因の1つにもなっています。

これだけ見ると「学校がお金を出してくれるなら、出願前に苦労して国内で奨学金を確保しておかなくてもいいのでは?」と思う人もいると思います。しかし、例え少額でも国内で奨学金を確保しておくと、良いことがあります。

  1. 出願校の合格の可能性が上がる
     どの大学院にも該当するとは言い切れませんが、奨学金を持っていることで大学院や研究室の経済的負担は圧倒的に下がります。PhD課程を修了するのに5,6年かかるとして、少なくとも毎年500-600万円を捻出すると考えると、その学生にかかる費用は最低でも3000万円はかかります。
     世界中から優劣付けがたい出願者が集まる大学院において、同レベルの学生が大勢いたら、大学院・研究室の立場としてはお金がかからない学生を選びますよね?
    実際私も出願後に入試委員会に推薦してくれた教授から「1年目だけは自費で来れないか?」と言われたことがあります。(全面支援を約束してくれた大学院があったので、丁重にお断りしましたが...)
     加えて、少額でも奨学金を獲得しておけば、第三者がその学生の質を示していると出願書類の評価者に捉えてもらえます。
  2. 研究室選びの幅が広がる
     前述したとおり、研究室がRA(Research Assistant)としてPhD学生を雇って学費+生活費などを出す例も多いので、出願者・合格者を自分の研究室で受け入れられるかどうかということもその研究室の資金事情によります。資金の都合上新たに学生を受け入れられない研究室でも、奨学金を確保している学生に対しては自分の研究室から捻出する費用が抑えられるので、受け入れられやすくなる、つまり希望する研究室に入りやすくなると言えます。
  3. 国内外で学位留学者とのネットワークを築ける
     学位留学の奨学金を出してくれる財団や奨学会は大抵、採択者の懇親会や壮行会、OB・OG・現役留学生との交流会などを定期的に開いています。留学前・中・後に有益な情報を得られたり、互いに刺激できるような人と出会える貴重な機会です。(羨ましい...)
  4. 留学準備費用や渡航費用をサポートしてもらえることも
     財団・奨学会によっては留学準備費用として一定額を支給してもらえたり、出国・帰国の渡航費用をサポートしてくれることもあるそうです。大学院や研究室からこういった費用をサポートしてもらえる例もありますが(←私もそうです)、予め確保されていると安心ですよね。

このように、国内で学位留学の奨学金を確保しておくメリットは非常に大きいです。
情報系を専攻する予定の人が応募でき、修了後の進路を限定しない財団・奨学会などの一部を紹介しますので、参考にしてみてください。私もいくつか応募して最終面接まで残れたところもありましたが、このブログタイトルからわかるように採用はされませんでした... (地方大で採用されている例は少ないですよね...、と邪推したことも)
奨学金の応募シーズンが近づいていますが、みなさん頑張ってください。

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